きいろいカラス
「きいろいカラス」と聞いてピン!と来る人はかなりの中目黒に詳しい方(^-^)
中目黒というと、目黒川沿いのおしゃれなカフェやブティックを思い浮かべる人が大多数だと思いますが、東横線のガード下は昭和の匂いがぷんぷんするラーメン屋や飲み屋が軒を連ねています。もともと下町、町屋で生まれたものですから、京成のガード下の雰囲気などが私の原風景。私、好きなんです、そんな「三丁目の夕日」的なところ。
仕事でよく中目黒に行くものですから、お昼はいつもこのガード下のお店。そんなお店のなかでも一番よくお世話になっているのが「きいろいカラス屋」という定食屋さんです。「うまい、安い、早い、ボリューム満点」という定食屋の基本をしっかりと押さえた家族的な雰囲気のお店。ガード下の間口一間の狭いお店ですが、昼時はお客さんが入れ替わり立ち代りで賑やかです。
去年、朝日新聞の日曜版で目黒川の桜とともに「きいろいカラス屋」も紹介され、それこそ全国各地からここのコロッケをお目当てにお客さんが殺到してたいへんだったとか。何しろ狭い!(^-^; まあ、それこそがガード下のガード下たる所以ですが)
ところが、お店の前に一枚の張り紙...その文面を読みながら、昼時の人通りにも関わらずちょっと目頭が熱くなってしまいました。
中目黒駅の改良工事のためガード下のお店がすべて立ち退きとなってしまい、「きいろいカラス屋」も3月末日をもって店じまいだそうです。30年もの長い間、ここで昼はサラリーマンのお父さんたちの胃袋を満たし、夜は一杯のビールで一日の疲れを癒してくれてきたそうですが、あと3週間でそれもおしまい...残念です。
目黒川の洪水や客層の変化などでいろいろとたいへんなこともあったと思いますが、そんな苦労の中でも、目黒川の桜の花が勇気付けてくれたことでしょう。そんな桜の花が満開のなか、長い歴史にピリオドを打つ感慨に溢れた張り紙の文章でした。
もちろん、今日のお昼は「お昼のランチ(きくらげの肉豆腐とハムエッグ)」600円!
心残りは、今まで昼時しか入ったことが無く、夕方にコロッケをつまみに一杯!という機会がなかったこと... あと3週間、無理やり用事作って行ってみたいです。
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