アカシヤの雨に打たれて
♪アカシヤの雨に打たれて、このまま死んでしまいたい...
という西田佐知子の曲 1962年のヒット曲を覚えている方はどのくらいいるのでしょうか。私はリアルタイムに知っているわけではないのですが、親が懐メロ番組をよく見ていたもので印象に残っている曲でした。
ただ、どうしても「アカシヤの雨」というのがイメージできませんでした。北原白秋の童謡「この道」にもでてくるので(「この道はいつか來た道/ ああ、さうだよ/あかしやの花が咲いてる。/あの丘はいつか見た丘、/ ああ、さうだよ/ほら、白い時計臺だよ」)、北海道と強く結びついて記憶しているのですが、札幌のアカシア並木を訪れてもピンときませんでした。
数年前のゴールデンウィークにのんびり多摩川の稲城側をジョギングしていて、南武線「矢野口」駅そばの多摩川原橋にさしかかった時、多摩川の河原にきれいな林が1Kmほど続いているではないですか。オリエンティアとしては、堤防のアスファルトを走るのではなく、林のトレイルを走りたい!ということで、その林のなかに続く土のトレイルに足を踏み入れました。
すると、どこからともなく甘く良い香り...
しかも、一陣の風が吹くたびに、真っ白い小さなものが降ってくる(まさしく「降ってくる」という感じなのです)。よく見ると、林の木がちょうど藤の花を一回り小さくしたような真っ白い花の房をつけていて、その花が風で降ってきているのです。
桜の花は「ひらひら」という感じですが、この花はもうちょっと重量感があり、「降ってくる」という形容がぴったりです。甘い香りとともに真っ白い花の雨の林の中を走り続ける幸福感にしばしの間浸りました。
並行して走る堤防の道の名前を見ると「アカシア通り」
今までの疑問が氷解しました。
恋人に捨てられた喪失感と「アカシヤの雨」の天国のような幸福感が合わされば、「冷たくなった私を...」という歌詞も理解できます。
29日の武相マラソンの帰りにアカシヤ通りを通ったところ、だいぶ花をつけていたようです。このゴールデンウィークの後半には「アカシヤの雨」に打たれることができるかもしれません。
ところで、まぎらわしいことに、ミモザと呼ばれる花がアカシヤで、アカシヤと呼ばれる花がハリエンジュ(別名ニセアカシヤ)なのです。どちらも歌でよく出てくるだけに悩ましい(^-^)
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