ポトマック川の桜と園芸高校のハナミズキ
東京のソメイヨシノはすっかり散ってしまいましたが、二子玉川界隈をジョギングしていると、代わりにハナミズキの白とピンクが目立つようになってきました。季節をリレーするこの二つの花には日米の友好の証として太平洋を行き来した歴史があることをご存知の方も多いでしょう。中学の英語の教科書にも取り上げられたことのあるこのエピソードですが、実は世田谷とも深い縁があるのです。
この写真は去年の4月に撮影した祖師谷公園の桜です。
仙川の両側に植えられたこの桜こそ、1912年にワシントンDC送られてポトマック川のほとりに植えられた東京の荒川堤の桜が80年ぶりに里帰りした桜なのです。桜を送った尾崎行雄のゆかりの地や送られた桜の穂木の産地や継木の台木の産地など全国各地に移植されました。そのうちのひとつがここ祖師谷公園ということなのです。
ポトマック川の広さには及びませんが、この並木の下を歩けば、♪川沿いに咲いてた 桜並木を ともに生きてゆくと 二人で歩いた ...アンジェラアキの「サクラ色」の世界に一歩近づけるかもしれません。
さて、1915年にその花言葉どおり「返礼」として送られたのが40本の白いハナミズキ。その後の戦争では敵国から送られた木ということで様々な運命をたどったようです。そのときの40本のうち、現在の所在が分かるのはごく僅かだといいます。
そんな貴重なハナミズキの木が世田谷で今年も花を咲かしているはず。
場所は深沢の都立園芸高校...
兎々呂(ととろ)城址に建つ戦前から戦後にかけて日本の農業学校の中心的役割を果たした言われる学校。昔の深沢の面影をそこだけタイムマシンのように残している場所です。
ウィークデーならば玄関の受付で届出をすれば見学ができるそうです(この辺りは、深大寺の都立農業高校と同じですね)。校内には、日本庭園やフランス庭園、バラ園などがあります。また、徳川家光が愛したという五葉松の盆栽が二鉢あり、生徒からは「三代さん」と呼ばれて園芸科の生徒によってお世話されているそうです。
できれば、そのハナミズキの木を取材してからアップしたいと思っていたのですが、実は今日はワシントンDCのサクラ祭りのメインイベントのパレードの日。東京では桜の花からハナミズキへと移るこの季節にこそアップするのが最もふさわしいと思いました。
できれば、ハナミズキの花に会いに休暇をとってでも園芸高校に行けたらいいな...なんて思っています。
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