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2008年5月18日 (日)

仙川・成城の坂巡り

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暑くなるとLSDよりは密度の高い練習を短時間で、ということで国分寺崖線を使った坂巡りトレーニングコースをご紹介します。22の坂を巡る10.5KmのコースはこちらのGoogle Mapを別窓で開いて対比しながらご覧ください。

スタートは京王線「仙川」駅。ゴールの大蔵運動公園から仙川沿いに戻り、駅近くの「湯けむりの里」で一汗流すということであれば、駅のロッカーに荷物を預けて空身のランも可能です。

仙川駅から北に向かい、甲州街道へ。駅入口の交差点のコンビニのところには甲州街道の一里塚があったところです。交差点を左折、調布方面に進みます。キューピーマヨネーズの工場のキューピーちゃんに挨拶したら1.「滝坂」です。

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甲州街道からゆるやかに右にそれる坂が昔の甲州街道の難所のひとつである旧「滝坂」。雨が降れば滝のように雨水が流れるということからついた名前だそうです。今はゆるやかな坂ですが、江戸時代は相当な急坂だったのでしょう。

滝坂下の交差点で甲州街道を渡り戻ります。すると旧滝坂の合流地点あたりで右手に進む直線道路があります。これが、2.旧京王線路線跡の坂(「売地の坂」)。(一般的に通用している坂の名前には「」をつけていますが、私が区別するために勝手につけた名称は「」付けしていません)。京王線はその昔、仙川から調布の間は今の路線より北側を走っていました。その路線跡は地図を見るとなんとなく見えてくるのですが、この坂はその昔の路線跡です。

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坂を登りきり、渋谷まで続く瀧坂道を右折、京王線を越えます。それから右折をして実篤公園へ。野菜の絵でご存知の武者小路実篤の旧宅が公園として公開されています。庭園は無料で公開されていますので、庭園を抜けて河岸段丘下の実篤記念館に抜けることもできます。先を急ぐ方は入口左側の3.実篤公園の坂(「神明坂」)を下ります。

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崖線下を走っていくと若葉小学校。この小学校の手前角を左折すると崖線林のなかを登る階段の坂。4.若葉小の階段坂(「熊谷坂・鉄砲坂」)です。おばけ坂とか幽霊坂とも呼ばれているそうですが、確かに夕方通ると薄暗くてコワイ。品川通りの延伸路線がこの辺りを通る予定らしく、反対運動の掲示がありました。

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坂を登りきったら、右折。突き当たったら右へ。若葉小の反対側をゆるやかに曲がりながら下ります。5.「若葉の坂(本村坂)」です。若葉小の裏手は崖線林がきれいに残っており、自然公園になっています。小学生には格好の遊び場です。私の少年時代を思い出してしまいました。

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崖線下の図書館分館の脇を抜けていくとT字路に突き当たります。この道は昔の都道。左に登っていく坂は狛江と甲州街道を結ぶ重要な坂で6.「大坂」と呼ばれています。今はとてもそんな面影はありませんが、明治から昭和初期には野菜の荷車が頻繁に通っていたそうです。

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登り切ると庚申様が出迎えてくれます。その先を右折し、仙川から狛江に向かうバス通りを通り越し、道なりに進みます。突き当たりはNTTの中央電通学園。右折して下ると、7.宇賀神の坂(「新左ェ門の坂」)。下りきった左側の森の中には宇賀神様の社があります。元々ここは調布七福神の弁天様がいらしたところ。前の道は狛江と滝坂道をつなぐ七曲りの道で、縁日にはかなり賑わったということです。弁天様は、今は明照院に祭られています。

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マンションを右側にまわりこむように行くとバス通りに出ます。左折して坂を登ります。この坂が、8.中央電通学園の坂(「七曲り」跡)です。昔は相当狭く、曲がりくねって、寂しい道だったようです。

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登り切ってお好み焼きやさんの先に小公園があります。その手前の坂を下ります。この9.カニ沢の坂を沢沿いに下ります。昔はカニが多くいたことから「カニ沢」と呼ばれていたそうですが、今は住宅がびっしりで湧水も暗渠となり、カニも見かけることはありません。しかし、下部には入間公園もあり、ひっそりとした憩いの場所となっています。

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公園を抜けてさらに沢を下るとマンション群の角に出ます。そこを左に上る坂が、ご存知10.「ビール坂」です。こマンション群はサッポロビールの社員寮やビアレストラン「ライオン」の跡地です。マンションに変わってからも「ビール坂」の名前は残っています。

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ビール坂を登りきったところをすぐに右手に下ります。これが11.成城4丁目の坂。実はビール坂よりも古くからある坂道です。それだけにかなり急で細い道です。下ったところに緑地公園があり、国分寺崖線の植物の見本園があります。

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下ってから道なりに崖線下の道を進みます。途中には「神明の森みつ池」の特別保護区があります。保護のために立ち入ることはできませんが、ホタルも生息しているところです。

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崖線下の道をさらに行くと小田急の高架が見えてきます。手前で坂道のT字路にぶつかります。この坂が12.「不動坂」。喜多見不動尊の脇を登る坂道です。坂の下には信者が修行した湧水の瀧があります。

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「不動坂」を上りきったところを鋭角的に右に曲がります。小田急を越える不動橋を渡ります。以前は確かに「橋」だったのですが、複々線化により蓋がされたようになり、橋というとちょっとイメージが違いますが、富士山がきれいなスポットです。

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渡ってすぐを右に曲がります。その先が13.「なかんだの坂」。厳密には自然保護地のなかの坂が「なかんだの坂」らしいのですが、まあ堅いことは言わずに(^-^; 地元の方々がボランティアで整備している森です。

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下って道なりに崖線下の小道を行くと、コンクリートで丸い滑り止めパターンの坂道と交差します。ここを左に上ります。途中で曲がって登っていく14.クランク坂。かなり急ですが、ここを車が下ってきます(サスガに下りの一方通行)。

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上りきったら右に曲がります。150mほど行くと、公園の入り口の手前にものすごい急な坂道があります。自動車は通れませんし、自転車も降りないと怖いくらいです。これが、15.「お茶屋坂」です。江戸時代、喜多見重勝の茶室がここにあったことに由来します。悲しい民話も伝わっている坂道です。

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お茶屋坂を下りきって左に曲がります。左手のマンションの真ん中あたりに狭い階段があります。入っちゃいけなそうですが、一般の通行も可能です。抜けるとゲートがあり左手に登る整備された坂道があります。これが16.「ヘビ坂」。ヘビのようにくねくね曲がった坂だからとか(^-^;

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登ったところのゲートを出たところを鋭角的に右に曲がり、成城3丁目緑地の最深部に向かいます。広場を横切り、17.湧水池へのトレイル(階段)を進みます。これが成城!?と思えるような自然いっぱいの斜面林です。なお、このトレイルとヘビ坂は夜20時から朝6時30分までは通行禁止になりますのでご注意を。

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下りきって世田谷通りとの変則交差点に出ます。この交差点を左に上っていく坂道が成城で一番有名な坂道、18.「病院坂」です。横溝正史さんのお宅から程近いということもあり、「病院坂の首縊りの家」の舞台となったといわれていますが、真偽の程は迷宮入りです。

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登り切ってしばらく行き、左手に公園のある交差点を右に曲がります。さらに消防署の交差点を右に曲がり、19.武蔵工大付属高の坂を下ります。途中には東宝スタジオの入口があります。ゴジラ七人の侍が出迎えてくれますので、ぜひともちょっと寄り道してください。

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大丸ピーコックを通り過ぎ、世田谷通りと水道道路の変則交差点を鋭角的に左に曲がります。一番左に鋭角的に東宝の前を通る道が昔の世田谷通り。仙川を渡ると二股に分かれます。左手は「赤土坂」で祖師ヶ谷大蔵へ、右手が20.「畳屋坂」で日大商学部、大蔵住宅に通じています。

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またまた世田谷通りの変則交差点を鋭角的に右に曲がり世田谷通りを下ります。21.世田谷通り大蔵の坂ですが、春は桜のトンネルで綺麗です。ここは歩道も広く距離も長いので、坂道ダッシュのトレーニングに最適です。

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下りきったら仙川の手前を左に曲がり、団地内の崖線下を走ります。ここの見所は大規模な湧水池。音を立てて湧水が流れ込んでいます。湧水池を過ぎると、鋭角的に左に上る22.大蔵住宅の坂。登ったところには保育園があります。鋭角的に右に行くと大蔵総合運動公園はすぐそばです。

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大蔵運動公園で一休みしてから今来た坂道をまた登ったり下ったりして帰ってもいいですし、仙川沿いの遊歩道を甲州街道まで帰れば上りはほとんど無く仙川駅まで帰ることも可能です。ぜひ自然たっぷり、歴史も深い仙川から成城への坂巡りを試してみてください。良いトレーニングになること請け合いです。

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コメント

まさに灯台もと暗しでした。
なかでも、16.ヘビ坂は、マンションの間を抜けて行くとは…!
それにしても、ハケの道のお陰で坂道三昧ですね。

投稿: moai | 2008年5月19日 (月) 00時29分

ヘビ坂はさすがに深夜は通行止めになります。ひとつの坂は20m以上の高低差がありますので、22本の坂を往復すると21Kmで450m程度は登ることになります。いいトレーニングです。ぜひ今度(^-^)

投稿: 野川のカルガモおとーさん | 2008年5月20日 (火) 00時10分

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