萌芽更新
足を捻挫してしばらくおとなしくしていましたが、久々に砧公園に走りに行きました。まだまだトレイルは足を捻って悪化させそうで怖くてスピードは出せませんが、おっかなびっくりジョグしたときに見つけたのがこの「ひこばえ」。専門的には「萌芽更新」というのだそうですが、木を切り倒した切り株から、新たな芽(ひこばえ)が出て、また新たな木に育とうとしています。
今年の春の花散らしの嵐のことをこのブログで紹介しましたが、その春の嵐では桜の花どころか大きな木までなぎ倒されてしまい、林のなかのトレイルコースをふさいでしまいました。その後、安全のため根っこを残して伐採されてしまいました。
それが、3ヶ月もするとこんなに大きくひこばえを育てるんですね。根が残っている状態で新しい芽が出てくるので、水分や養分の吸収力があり、成長が速いのだそうです。
みつ池の森の見学会の記事でも紹介しましたが、雑木林は、薪を得るために木を切り、萌芽更新によって、速く再生させることにより成り立っている自然です。切っても根を残しておけば10~20年もすると、再び薪に使えるようにまで育つそうです。若いうちに切ると「かわいそう」だから、自然に倒れてからひこばえを出させればいいじゃないかという”自然愛好家”もいらっしゃるようですが、違うので
す。太くなるまで樹齢を重ねると樹勢が弱まっていて、根っこが残っていても萌芽がでないそうです。
この木は想定外の強風で倒れ、期せずして萌芽更新を迎えたわけですが、このひこばえも、このままにしておくとお互いに養分や日光を奪い合い、大きくは育たないでしょう。たぶん公園管理事務所の方が専門的な知識に基づいて、間引きをするはずです。それは、決して「かわいそう」なことではなく、人間が手を加えてこそ保たれる里山の自然を守ることなのです。
でも、それも自然が持つ再生力がベースであることを改めて実感した光景でした。
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