今こそリスク分散~生田浄水場
いつも春になると、このブログに「桜 野川」でアクセスしてくださる方が多いのですが、そのなかに混じって、なぜか「生田浄水場」のキーワードでアクセスされる方が多いので、おやっ?と思っていました。
生田浄水場といえば、神奈川の水道水では1,2を争うおいしい水道水です。
その理由は、その水源。
多摩川の伏流水を数十の深井戸でくみ上げて水道水にしているんだから、おいしくないわけがありません。あんまり言いたくはないけど、原発のごたごたあったとしても、影響が出にくい安心の地下水水源です。
地下水の水をブレンドどころか河川水100%の浄水場も多いなか、100%地下水水源の浄水場は、東京・神奈川の人口密集地ではこの生田と昭島くらいだと記憶しています(もし違っていたらごめんなさい(^_^;)
ところが、その生田浄水場が廃止されるということらしいのです。
理由は簡単、コスト削減のための集約による効率化...
つまりは、いっぱいお金をかけてダムやパイプラインを作って、遠く酒匂川や相模川から引っ張ってきた河川水を使った大型の浄水場の稼働率を上げるために、小規模の浄水場を廃止して集約化しようというわけなんどと思います。
そこで合点がいきました。今日の帰り道、成城学園前駅で世田谷区議選の候補者が安全のために地下水がどうのこうのと言っていたので、?と思っていたのですが、地元生田では生田浄水場の廃止が地方選の重要争点になっているんでしょう。
一ヶ所集中の集約化がどれほどリスクをはらんだものかは、日々報道される原発の状況をみれば、もう私が言うまでもありません。これだけの大きな被害があったにも関わらず、なんとか私たちの生活が成り立っているのは、水力・石炭・天然ガス・石油そして原子力の発電バランスがうまく取られていたからだと思います(その部分に関しては、私は日本の電力政策を評価していますし、これからはそれに太陽光や波力、エコファーム、さらには圧力発電など、もっと分散化していく必要があるのでしょうが)
小規模なライフライン拠点でリスクを分散することの大切さが、今ほど実感されるときはありません。その究極が自給自足ですが、それが現実的でないとしても、今ある施設を有効活用してリスクヘッジをはかるのは当然でしょう。
ましてや、長いパイプラインが東海大地震のときにまったく無事とは到底思えません。一大拠点の長沢浄水場や西長沢浄水場が無事であっても、途中でちょっとした断層のずれがあれば、それでドボン!です。
「生田浄水場」キーワードでこのブログにいらした皆さんの切実な気持ちがわかったような気がしました。
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コメント
ご無沙汰しております。
私のところには最近、「砧下浄水場」でやってくる方が増えました。
ここは多摩川の伏流水を汲み上げ、巨大な濾過器で浄水していますから、おそらく影響を受けにくい。
ただし古い敷地の小さな浄水場ですので、給水量がさほど多くないんですよね。
ただ、リスク分散という意味では存在価値は大きいと思います。
食品同様、ライフラインだって「地産地消」が理想ですよね。
投稿: 庵魚堂 | 2011年4月15日 (金) 01時12分