別大マラソン参戦記(長文!)
レース当日の朝の別府湾の朝日です。
下りの階段に苦労しながら大分から帰って参りました。
なんとか完走することができました(いや、ホントに今回は「棄権」の誘惑に負けそうになりました)
すべてはこのラップが物語っています
Start loss 0:45
0-5Km 23:05
5-10Km 23:17
10-15Km 22:57
15-20Km 23:36
20-25Km 23:26
25-30Km 23:02
30-35Km 24:25
35-40Km 29:19 !!!
40-Goal 13:12
Total 3:27:08
自己新や10分切りはかなり厳しい状態なので、完走目標とはいうものの内心は5Km23分でまとめて3時間15分目標、悪くても20分切りと捕らぬ狸の皮算用だったのですが、フルはそんなに甘くなかったということでした。
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前日の一番の飛行機で別府入り。乗客の半分くらいはランナーっぽい(^_^)
ホテルに荷物を預け、B級グルメ「とり天定食」550円。きたなトランに出てきそうなカウンター4席のみという定食屋のおばちゃんの別府ジモティ情報を聞きながら昼食。腹ごなしの散歩で翌日走ることになるR10へ。
別府湾沿いの6車線の道路が3千人のランナーのために開放される...走る車の多さを見ながら、そのシアワセを改めて感じました。それにしても、暑い! 17,8度はあったようです。コートを脱いでもまだ暑くて、日なたではトレーナーも脱いでいました。
午後には受付のアリーナへ出向き、受付。地元名産の出店もあって結構賑わっていました。布のゼッケンに「伝統の別大」を感じましたねえ。正直言うと、この1週間のインフルエンザ騒ぎでかなり気が抜けていたのですが、やっとこさモチベ
アップ。だんだん走る気になってきました(今頃か!ってツッコミは無し)。
フルの前日は走らないのですが、さすがに今回は不安でホテルに戻るなり着替えて軽く5Kmほど別府市内を走る。すれ違うランナーがみんな速そう(^_^; さすが3時間30分以内の記録を持つランナーが集まっている
だけのことはあります。この制限タイムいい線だと思います。サブスリーは厳しいけど、ちゃんと練習すれば手が届くタイム。参加者数もある程度の人数になるので興行的にもペイするし、交通規制もやりやすい。これ以上甘くすることなく、この線で進めて欲しいですね。
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さて、当日はのんびりと。なにしろ12時スタートなんて灼熱の東京女子併設の東京市民マラソン以来かもしれません。スタートのうみたまごまでバスで移動。スペースもゆったりだし、トイレも十分にあり、ストレス無し。移動に使ったバスがずらりと並び、控え室として使えるので雨や寒さも問題ない(でも、今年は暑いくらいでしたが)。ホントにレースに集中できる環境です。
長野ではウォーミングアップ不足から数分立ち止まるというアクシデントがありましたので、今回は入念に。でも日差しが強く、ちょっと動いたら汗びっちょり。ウェアは迷わずノースリーブ。アームウォーマーは無し、保険として手袋をパ
ンツに挟み込んで完了。ゼッケン番号順に整列してから国道のスタートラインに移動するのですが、陸連未登録なので後ろから10番目くらいのライン(1列
15人なので、後ろには200人くらいしかいない)のほぼ最後尾スタート。こりゃTVには映らないな(^_^;
風もなく、昨日ほど暑くはない。いわゆる「言い訳のできない」舞台が揃っちゃいました(^_^; スタートのカウントダウンで気分は盛り上がって行きましたが、スタートの号砲が「バンッ!」じゃなくて「シュパン~」って感じでちょっと拍子抜け。
スタートラインまで1,2度突っかかりましたが45秒ほどのロスでスタート。走りだすと皆さん、速い! ちょっとまずいよコレ、と意識して落として抜かれっぱなしにも関わらず1Km通過4分48秒。スタートロスを考えるとサブスリーペース。絶対に潰れる。ということで、更にペースを意識して次の1Kmは4分
35秒。このペースを維持して35Kmまで我慢するのが今日のレース。
別府の街中では前日夕食で立ち寄ったビストロ
(郷土料理の「りゅうきゅう」が美味しかった!前日なので日本酒が飲めないのが辛かった(^_^;)のオーナーの素敵なご夫婦が応援してくれるというので
歩道側を1Kmくらい走ったので少々ペースダウン。そうこうしているうちに先頭グループが折り返してきて、あっという間にすれ違い。
一番厳しい関門が15Km地点で1時間13分。まあ、そんなに恐れなくてもいいタイムではありますが、ちょうど私が通り過ぎたのが1時間10分だったようで、係員が「あと3分?」「ええ、あと3分!」と会話しているのが聞こえてきて、ちょっとビビったりして(^_^;
スタート地点のうみたまごに向かいますが、この国道、実は意外と走り辛い。高規格道路のためカーブにバンクが付いているんです。海岸沿いなのでカーブの連続
ですので、路面は必ずといっていいほど左右に傾いていて足首にダメージがかかります。延々と続くカーブに早く大分市内に入りたいと思いながら走っていました。おまけに海沿いで遮るものないので向かい風がさらにボディブロー。幸いにも風は弱いとはいえ、
向かい風であることは変わりない。
いつものフルマラソンなら25Kmまでは精神的にも肉体的にも余裕があるのですが、海岸国道のためか、
高めの気温のためか、それとも練習不足のせいか(^_^; スタート地点のうみたまご18Km地点で既に足に疲労感...心拍数も微妙に不規則になってきて少々ヤバイ感じ。
ここはコバンザメ・オペレーションで落ち着こうということで、熟年男女を結構走れそうな男性が引っ張っている同じ走友会の3人集団を発見、ちょっと遅いかなと思いながらも25Kmまでくっついてくことにしました。おかげで体調は落ち着きましたが、このままのペースでいく
か、それとも当初の設定に戻すか、逡巡しながらコバンザメ...
大分市街に入り、25Kmでラップを確認。やはり1Kmあたり5~6秒は遅いペース。どうする!? と思った時に引っ張っていた男性が「やっぱりちょっと早いね」と熟年男女に話しかけるではありませんか。おまけに少々ペースを落とすものだからちょっと突っかかってしまい、思わず前に出てしまいました。
このペースならば、付いて行くのもアリだけど、
これ以上遅くなる(24分/5Kmでしょう)のはいかがなものか...
ペースを戻さなくていいのか...
でも、足は持つか...
どうしよう...
ちょうどそのとき、反対車線を計時車が通り過ぎ、
それに続きデットヒートを繰り広げる川内選手と中本選手の激走!
あの真剣勝負と同じ舞台にいるのだから、答えはひとつ。
行くしかない!
そう思ったところに弁天大橋の上りが待ち構えています。
当初予定の23分/5Kmに戻すべく、弁天大橋を登り切った心拍数を落とさないようにゆっくりとピッチを上げていくと、結構いいペースの女子(ポニーちゃん
じゃございません(^_^;) ショートヘアでした)。ウェアには「ニッポンランナーズ」...ということはそれなりにしっかりトレーニングを積んでいるはず。35Kmまで一緒にがんばれれば、なんとか20分切りが見えてくる。
まわりのランナーより5,6秒/Km速いペースなので、気持よく前のランナーを抜いていきます。おかげで25-30Kmのラップは当初の想定ペースに戻すことはできましたが、フルマラソン35Km過ぎの走りを
10Km手前からやっちゃいましたので、心配なのは足があと10Km持つかどうか。
ちょっと冷静さ欠いたか?
案の定、31Km過ぎで折り
返してあとは一路ゴールへ戻るとなってちょっとホッとした途端に足がズドンと重くなり、気を抜くとニッポンランナーズの女子との距離がズルズルと開いてし
まいます。
ゴールまであと10Kmもある...
辛いレースになりそう...
でも、ここで頑張って付けば越えられるかもしれない。
しかし、息が荒くなったからでしょうか、喉が完調でないこともあり、痰が絡んで喉が詰まりそう。33Kmあたりの給水で咳き込んでしまい、立ち止まってしまったら万事休す。彼女の背中がどんどん遠くなって、追いつく気力が失せてしまいました。
中継を見た方はご存知のとおり、コースのほとんどは6車線の道路の半分、つまり3車線もの広さの主要道を走りますが、唯一31~35Kmまでは裏道のような狭い道を走ります。すると今まで広がって走っていたランナーの密度が上がるワケです。そこでガクンときてペースダウンすると否が応でもガンガン抜かれて
いくのが実感されます。精神的も辛い(^_^;
給水で咳き込んで立ち止まったものの、なんとか気持ちを切り替えて走り出しましたが、前を追いかける足は残っていません。過去にサブスリーを狙って何度も跳ね返されてきたパターンとまったく同じ展開...
30~35Kmの間で足が動かなくなる
サブスリーへの挽回は不可能なペースに落ち込む
35Kmからは次々後続ランナーに抜かれながら
痛む足を引きずるようにして
長い長い1Kmを積み重ねていくだけ
自己ベストも無理と分かると
最後の糸も切れかかり
肉体的にも
精神的も
ボロボロ...
何のために走っているのか
歩いちゃおうかな...楽だろうなあ...
そんなことを思い浮かべながら35Km地点。ラップをみるとニッポンランナーズの女子を追いかけていた貯金があったこともあり30-35Kmを5分/Kmペースでクリアしている。思ったより落ち込んでいない。
でも、体感は、もう限界を超えた感じ...まだ7Kmも残っている。
最近のフルのレースではこの感覚が40Km地点で、残り2.195Kmは気力で限界以上の走りをしてゴールになだれ込むというパターンでしたが、7Kmは長すぎる...
おまけに、そんな感じでゴールするとふくらはぎはもちろん太ももから腹筋、背筋、側筋、挙げ句の果ては足の指から二の腕まで攣ってもだえ苦しむことにな
る...さらに体温が下がりベンチコートを着込んでも30分以上ガタガタ凍えて動けない、ということを何度経験したことか...あの辛さが蘇ってきます。
しかも、ここが別大のコースのいやらしいところで37Kmちょっと前にゴールの競技場のすぐ脇を通り過ぎるのです。
棄権するならココよ...
今やめればあんな辛い思いしなくて済むのよ...
悪魔の囁きじゃございません、安堵の女神様のお言葉が聞こえてきます。
心のなかは60%「棄権」の文字で埋まりました。
前のランナーが一人でも歩道に上がったら、それ続くことが自然に思えていました。しかし、残念ながら(^_^; 誰一人として歩道に逸れず、黙々と弁天大橋の上りに向かっていきます。
ここで初めて5Kmポイント以外で時計を見ました(私、最初の5Kmくらいまではともかく、それ以降は1Kmごとのラップに囚われてもペースを乱すだけなので、5Kmごと以外は極力時計を見ません)。
あと5Kmを6分30秒/Kmペースで走ればゴールできる...
ここで止めることもできる...
迷いながら弁天大橋の上りにさしかかります。
ルビコン川に例えるのは大げさかもしれませんが、
この橋を渡って大分川を越えたら
全身痙攣のツラさに
向かって走り続けるしかない...
そんなときに浮かんできたのは、
やはり走友からの応援メッセージ
20分切りというゴールがダメなら、
完走という次のゴールに向かえばいいじゃないか...
その時々の自分なりのゴールに向かうこと
それに向けて今持てる力を最大限に発揮すること...
大分川を渡っちゃいました (あ~ぁ、これで2,3日はロボット歩きだ(^_^;)
「やっと、追いついた!」という後続ランナーを追いかける力もなく、ひたすら淡々と走り続
けます。それ以上のペースに上げることもできなければ、それ以下に落としたら歩いてしまう...ゴールなんて関係ない、ひたすら淡々と足を前に進めるだけ...
だんだん大分市役所、県庁に近くなり、繁華街になり応援が多くなってきます。しかし、不思議と声援の声はまったく耳に入っていない。
騒がしいのか、静かなのか
暑いのか、寒いのか
苦しいのか、楽なのか
それどころか、走っているのか、歩いているのか
それさえも分からない状態で大分のメインストリートを進んでいたようです。
舞鶴橋前の最後の給水(川内選手が最後のスパートしたところです)で、ハッと我に帰り、時計を見ると35-40Kmでも余裕で6分/Kmを切っている。余裕で制限時間内ゴールできる!
最後の橋を上りきると、ゴールの陸上競技場が見えます!
ふたたび大分川を渡り、左に折れて競技場に向かう川沿いの道...
TVで見たとおりの道
あと1Km!
とはいえ、思うようにピッチは上がらないながらも、右に折れマラソンゲートへ。
なんとか26分台でとは思いましたが、スパートする余力もなく、本当にひたすら淡々とゴール。
3時間
27分
9秒
やっと長い別大マラソンが終わりました...
(というのはウソで、これから後に全身攣りまくり、やっと着替えに行けたくらいで、本当に終わったと思ったのは別府のホテルに戻り、温泉の湯船に身を任せたときでした(^_^;)。
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その晩は、完走祝いとして別府市内の郷土料理屋で麦焼酎をしこたま飲んでしまい、マラソン以上のダメージを受けたことは言うまでもない(^_^;
でも、ここで棄権したら今晩のビールがまずいだろうなあ、と思って頑張った甲斐があったビールの美味しさでした(^_^)
実は、数年前に思うところがあり、もうフルは走らないと思っていたのですが、ひょんなことから長野マラソンの2次募集でエントリーできてしまい、ファンランながらトラブルで数分のロスをしながらも3時間23分でゴール、別大にも出れるタイムと知って、それこそこれが最後のフルと勢いであこがれの大会にエントリー。苦しみながらも完走できました。
不思議な縁です。
10分台で最後気持よくラストスパートしてゴールできたら、タイムを狙うフルはこれでお終いと思っていのですが、なんとも悔しさが残る別大マラソンとなってしまいました。さあて、これからどうしましょう(^_^;)
長文、駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました(^_^)
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